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ストーリー攻略 難易度Nigehtmareでの攻略法 どうしてもクリアーできない場合はマシンガンを探して爆殺することをお勧めします ストーリー攻略 -ステージ1:アカデミー訓練所 エネミー:コアルプ5体 タイム:150秒 -攻略法- 正直、一体倒すのに時間が結構かかってしまうしHPも回避を取らないときつい状況に 無理に倒す必要はないので、一体倒したら上の柱に乗ってしまうのが妥当 -ステージ2:アカデミー中庭(昼) エネミー:リモーネ タイム:300 -攻略法- 魔法を使ってもよいが、狙撃されないように注意しよう、しかもあまりダメージは与えられない ライフルを撃たれない距離で、近距離武器で殴れば時間はかかるが割りと安全・・・で倒せるはずです 一匹倒したら橋の上で寝るのが吉 -ステージ3:滝の洞窟 エネミー:プラム タイム:300 -攻略法- 敵はこっちに向かって走ってくるので、魔法でハメられる近づきすぎたら魔法があたる程度の距離をとって攻撃すれば倒せます (時間はかかりますが…) 一匹倒したら上の孤立区域で寝るのが吉 -ステージ4:滝の洞窟 エネミー:リエル&ノーチェ タイム:300 -攻略法- チーム戦、リエルは基本、マシンガン撃ってることが多いので放置してもOK プラムがノーチェに倒されてしまうのでノーチェを殺しに行ったほうが良い、 ちなみに、リエルは開幕位置から右端、ノーチェは左端にいるようなので、後ろにいるプラムをうまくリエルと戦わせよう -ステージ5:アカデミー中庭(夕) エネミー:アプリコ タイム:300 -攻略法- レッドクロス装備、魔法はほとんど相殺してしまうので、近距離技が安全かもしれないが 深追いしすぎるとアプリコの魔法を直に喰らってしまうことがあるので注意が必要だ 同じく一人殺したら橋の上で寝るのが吉 -ステージ6:ミスティカ遺跡(夕) エネミー:&コアルプ多数 タイム:300秒 -攻略法- 一体と遊んでると勝手に終わります -ステージ7:ミスティカ遺跡(結界内) エネミー:アルプトラオム&コアルプ多数 タイム:300秒 -攻略法- 神杖カドゥケウスを装備しているので楽にハメ?殺せる 安全にアプリコを攻撃してる後ろから魔法を撃てばノーダメージも夢ではないです だが、こっちに向かってきた場合は、後ろに逃げながら魔法を撃たないと逆に殴り殺されてしまう とくにサイネリアはストーリーで困ることはない…ハズ
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この文字を詠めし者、影の同胞にして、死の徒よ。 汝は何人なりや? I ve entered the abyss and never returned. We are all books containing thousands of pages and within each of them lies an IRREPARABLE truth. 歴代マスターアサシン アルタイル(Altaïr) [ الطائر ] 伝説のアサシン 12世紀末アサシン教団を率い活躍したとされる伝説のアサシン。 エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ(Ezio Auditore da Firenze) 最強のアサシン 15世紀、テンプル騎士団と死闘を演じた歴代最強と言われたアサシン。 デズモンド・マイルズ(Desmond Miles) 最後のアサシン 現代、物語の行方は託された… They drained my soul and made it theirs. I drained my body to show you where I saw it. 構成メンバー コードネーム 称号 紹介 マスター・アキ 欺瞞のアサシン アサシン教団Legion支部設立者。追跡者の心理を読む事に長け様々な妨害工作で反撃を狙う。彼の手刀は地を砕き海を割る。 東雲 郁 殺戮のアサシン 攻撃防御共に高い戦闘能力を誇る。その柔軟な動きで敵を翻弄し殺害する。彼の行く先には屍しか残らない。 Endique 強襲のアサシン 特に攻撃能力に優れており、その突破力には目を見張るものがある。屋上からの強襲で彼の右に出る者はいない。 MakedOne 未知のアサシン 他者より一歩抜きん出た観察力、分析力で敵を追い詰める。何れは強力なアサシンとなるはずである。 .fragment 蟲毒のアサシン 毒という新たな武器を得た事により激戦の戦場へと舞い降りたアサシン。反撃?お前はもう死んでいる。 Euclid Lyeh 追憶のアサシン 過去、彼が所持していたアサシンの証と同様に、今作もまたその手から離れる事となった。 団内に於いては非常に優秀な戦績を残し、惜しまれつつの引退となった。 アックカ 隠蔽のアサシン 群集に紛れ込む能力は類稀なる物がある、周囲の空気に完全に溶け込み敵を付けねらう。安心している時こそ、致命的な一撃が自分を狙っていることを忘れてはならない。 コメント 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
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漆黒騎士グリード(シッコクキシ~) p e 属性 火 コスト 41 ランク A+ 最終進化 S レベル HP 攻撃 合成exp 1 1,000 988 ? 60 2,000 1,977 ? 最大必要exp 35,620 No. 1540 シリーズ グリード Aスキル ウィングスライサー 5問連続正解でダメージアップ(?%) Sスキル タイムスタンプ 攻撃ターンを3遅らせる(?turn) 売却価格 19,700 進化費用 420,000 進化元 暗黒騎士グリード(A) 進化先 冥闇騎士グリード・サクリファイス(最終進化S) 進化素材 ド3(S) ド3(S) タ3(A) フ3(A) ロ3(B+) キ3(A) ド2(A+) ド1(A) 入手方法 進化 備考
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暗黒騎士グリード(アンコクキシ~) p e 属性 火 コスト 36 ランク A 最終進化 S レベル HP 攻撃 合成exp 1 900 866 ? 50 1,801 1,732 ? 最大必要exp 19,564 No. 1539 シリーズ グリード Aスキル ウィングスライサー 5問連続正解でダメージアップ(?%) Sスキル スロウアクト 攻撃ターンを2遅らせる(?turn) 売却価格 9,600 進化費用 264,000 進化元 黒き鎧をまとう男グリード(A) 進化先 漆黒騎士グリード(A+) 進化素材 ド2(A+) タ2(B+) ロ2(B) ロ2(B) キ2(B+) フ1(C+) キ1(C+) - 入手方法 進化 備考
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赤。朱。赫。緋。赤光。 何より目立つその男の髪の色。 それは燃える炎を想起させる赤だ。 悠々自適、天下無双。 まるで、この世の全てが自分の為に回っているかの表情を浮かべている。 「俺を引き当てたこと、光栄に思うといい。お前、今最高にツイているぞ」 両手を大きく広げ、唄うように声を紡ぐその男はまさしく世界に愛されていた。 それは確信であり、不変であり、絶対。 どんな客観的事実だろうとも捻じ曲げてみせよう、その男がそう在れと願うならば。 「名乗ろう。アサシンの座にて推参したサーヴァント――クレア・スタンフィールド。 いや、レイルトレーサーと名乗るべきか、それともフェリックス・ウォーケン? まあ名前などどうでもいい。名前が変わろうとも、俺が俺であることに何の変わりもないのだからな」 男、クレアを呼び出した少年は呆然とする他なかった。 壮絶なまでの圧倒的な空気。爛々と輝く双眸に埋め込まれた意志。 どれを取っても、少年とは違い存在感がある。 「それで、お前の名前は? 一応、聞いておくのが筋というものだろう。何、挨拶は大事だ。万国共通、礼儀は大事にしとけと習ったものだ」 「え、えっと……りゅ、竜ヶ峰、帝人です」 少年、竜ヶ峰帝人は一見しても凡庸だった。 短く刈り揃えた黒髪に、幼さが残る顔つき。 華奢な身体はひょっとすると、鍛えた女性よりも劣るかもしれない。 「そうか。まあ、いい。名前にさしたる重要性は秘められていない。大事なのは、俺から見たお前の姿だ」 「……は、はぁ」 「ん? どうした、怯えているのか。怯えなくてもいいぞ。この俺が呼ばれたんだ、お前の命運は太陽の日差しよりも眩しい輝きに照らされている。 何せ、世界の中心である俺が傍にいるんだ、不安がる必要性は全くもってない」 人選間違えたかなあ。帝人は顔にこそ出さなかったが、眼前のサーヴァントに対して、一抹の不安を抱かざるをえなかった。 此処に呼び寄せられる前、池袋にいた時もとびっきりに変人な面々と付き合いがあったけれど、このクレアという青年もある意味とびっきりだ。 外見こそ、如何にも陽気な外国人といった風貌だが、口から放たれる言動はエキセントリック過ぎてついていけない。 「そ、そうですか。とりあえず、呼び名はどうしましょうか? クレアさん、でいいですか」 「ふむ。俺としてはフェリックスと呼んでほしいが、後々真名がバレると面倒なことも起こり得るかもしれん。 無論、俺ならどんな窮地であっても切り抜けるが、時間がかかりすぎてどうしようもないといった状況も否定はできない。 なので、ここはアサシン、で頼もうか。何、それぐらいの情報ならばバレた所でどうともならないだろう」 だが、全く話が通用しないという訳ではない。それだけでも、帝人にとっては大助かりだ。 平和島静雄みたいに些細な事でブチギレ暴力直行コースだったり、折原臨也みたいに煙に巻く発言もない。 できれば、門田京平のように、理路整然とした実直青年がよかった、なんて思ったりもするけれど。 「しかし、聖杯戦争と呼ばれる馬鹿騒ぎ、実に不快だ。聖杯を欲するなら、終幕までは踊り続けなければならない。 決められた舞台、カチコチに固められた演目、俺には相応しいと思えん」 顔をしかめ、唸りながら考え込むクレアを前に、帝人は何も言えなかった。 下手に機嫌を損ねると、その矛先が自分に向くかもしれない。 出会ったばかりの彼は何が地雷なのか。 拙い観察眼と頭で見極めてからでないと、思うような言葉は紡げない。 マスターとサーヴァント。彼の行動を制限する令呪こそ掌に刻まれているが、そんなの何の安心にもならない。 彼が一度動けば、令呪を掲げる前に、自分の身体など分割バラバラ雨霰だ。 「だが、一度請け負った仕事は全うするのがポリシーだ。ある種、お前は俺に勝利を依頼した雇い主だ。 可能な限り、お前が望むように動こう。もっとも、意見具申程度のことはするがな」 「それで大丈夫です! こちらこそ、よろしくお願いしますっ」 「固くならなくてもいい。何度も言うが、お前は最高にツイているんだ。もっと自信を持て。 自分こそが選ばれたのだと大袈裟にでも笑え」 「あは、はは……さすがにそこまでは、ちょっと」 故に、帝人の表情から緊張が抜け落ちることはなかった。 超常の存在が、今は自分に従っているが、これから先もずっと従ってくれるとは限らない。 なればこそ、出来る限り、彼の言うことに逆らわない方がいい。 今は平凡な男子高校生である竜ヶ峰帝人として振る舞おう。 故に、帝人の表情から緊張が抜け落ちることはなかった。 超常の存在が、今は自分に従っているが、これから先もずっと従ってくれるとは限らない。 なればこそ、出来る限り、彼の言うことに逆らわない方がいい。 今は平凡な男子高校生である竜ヶ峰帝人として振る舞おう。 「ともかく、呼ばれたからには聖杯を取る。それだけだ」 「やっぱり、アサシンさんも叶えたい願いがあるんですね」 「……いや、正確には俺が叶えたい願いではない。そもそも、願いなど俺が叶えたいと願えば、すぐに叶う。 聖杯などに頼らずとも、俺は独力で大丈夫だ。それだけの力量を兼ね備えているのだからな」 相も変わらず不遜な発言をする彼に対して、帝人は頬を掻きながら曖昧に笑う。 宙を見ながら、脳内でイメージトレーニングをしているのだろうか。 クレア・スタンフィールドは依然として絶好調だ。 「願うというよりは、手に入れるということだな。シャーネに聖杯を捧げる為にも、俺は最後まで戦う」 「シャーネって人は……彼女、ですか?」 「ああ。俺が世界で一番愛している女だ。いや、世界という枠組みは狭すぎたな、宇宙一、いや銀河の果てまでひっくるめても、一番だ」 「僕にはイマイチピンと来ないんですが、ともかく……聖杯をプレゼントしたいってことであってますか?」 「そういうことになるな。さて、俺の呼ばれた理由は話した、次はお前の番だ。お前は、何を望んでこの戦場に降り立ったか。 サーヴァントとして、お前に勝利を届ける者として、俺には聞く権利がある」 次いで、クレアの双眸が帝人へと向けられる。 何を望み、何が欲しいか。 問いかけは単純なもので、躊躇なく答えられるはずだ。 「僕は――」 思い浮かべるのは池袋で過ごした日常。 隣には紀田正臣がいて、少し後ろには園原杏里がいて。 騒がしくもどこか穏やかな日常が、何よりも大切だった。 「僕は――!」 けれど、今は何処にもない。 正臣は何処かへと消えて、残った帝人達も茫洋と日常を続けるしかなかった。 「もう一度、正臣や園原さんと日常を過ごしたい!」 「それが、お前の抱える願いか?」 「ええ。僕はやり直したい、三人でまた――遊びたい。 それが、僕の願いです。きっと、そうだ」 首を縦に振り、帝人は叫び返した。 その表情には悲痛が色濃く描かれているだろう、と感じながら。 彼らがいる日常を、喪った日常を、取り戻したいと思うのはきっと本心であると思うから。 「でも、こんな聖杯戦争に巻き込まれるなんて考えてもいなかったし、困ります。 死にたくもないし、戦いたくもない。僕は、こんな舞台に上がることを、望んでいなかった!」 「…………本当に、そうなのか?」 目に見えぬ何かが足りないと叫んでいる心臓など無視してしまえ。 「お前の表情からして、どうも腑に落ちないんだがな……。まあいい、どちらにせよ、勝利を目指すことに変わりはない」 釣り上がる口元などきっとまやかしだ。 ――――あぁ、笑ってるのか、僕は。 池袋のチンケな非日常とは違う、本物の非日常が帝人を迎えに来たのだ。 これを興奮せずして何を興奮すればいい。 帝人の運命は、本来辿るはずだったレールから外れ、与り知らぬ所で変わっていく。 そして、非日常が、日常へと堕ちていく終ぞの時まで――笑い続けるのだろう。 【クラス】 アサシン 【真名】 クレア・スタンフィールド@バッカーノ! 【パラメーター】 筋力C 耐久C 敏捷B 魔力E 幸運A 宝具D 【属性】 中立・善 【クラススキル】 気配遮断 C 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 心眼(真):C 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。 無窮の武練:A 一つの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。 才能に傲ることなく、弛まぬ努力を続けた結果、彼は類まれなる身体能力を身に付けた。 【宝具】 『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1 彼が繰り広げた逸話が元になっている宝具。 どんなことがあろうとも、自分を見失うことなく、【線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)】で在り続ける。 世界はクレア・スタンフィールドの見ている夢だから。故に、心技体は常に十全である。 この宝具は常時発動型であり、バッドステータス系列の効能を無効にする。 【weapon】 なし。 【人物背景】 アメリカ全土にその名を轟かす最強の殺し屋。 殺し屋として働く一方、車掌としての顔も持っており、その職業を利用して各地で殺し屋として活動している。 性格は傲岸不遜。世界は俺の物とはっきり言い切れるまでのジャイアニズムな考え持つ自信家。 【マスター】 竜ヶ峰帝人@デュラララ!! 【マスターとしての願い】 もう一度、日常をやり直す。/聖杯戦争という池袋の非日常を超える非日常に呼ばれたかった? 【能力・技能】 なし。 【人物背景】 非日常を求めて池袋に引っ越してきたごくごく平凡な高校生だった。 しかし、池袋の裏に触れるに連れて、徐々にその内面に変化が現れる。 夢にまで見た非日常が帝人を蝕んでいく。 【方針】 とりあえず、死ぬことは避けたい。/非日常を楽しむ? BACK NEXT -012 八神はやて&キャスター 投下順 -010 音無結弦&アサシン 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 参戦 竜ヶ峰帝人 000 黄金のホーリーグレイル-what a beautiful phantasm- アサシン(クレア・スタンフィールド)
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「――――此度の戦争の顛末に、既に脚本が用意されているとしよう。」 我が物顔で革張りのソファーを占領しながら、ふとそんなことを呟く。 趣味が悪いことに真紅の素地に、思いのほかアサシンの装いの意匠は映えていた。 老将はくすんだ鎧の鈍色を、けれども見事なまでに自らのものにしている。派手ではないが、滋味があるというのだろうか。 鉄も、革の拵えも、小さな傷や擦り切れがいくつも重なって、鈍い光を返す。 「どういう意味ですか?」 「何、難しいことではない。つまり、誰がどの順で敗地にまみれ往くのか、という並びよ。」 率直に尋ね返すと、また底意地の悪い例えが返ってくる。 そこはせめて、『誰が勝利の栄光を手にするか』というのが粋じゃないだろうか。 峻厳な、歴戦の名槍を思わせる眼光を宿す瞳は、愉快そうに歪んでいる。 腹の底に響く声。俗な言い方をするなら、バリトン歌手のような重厚な声質。 アサシンのその在り方は、効率よく配下を束ね、彼らを支配し、導くためのものに特化している。 多くの人々の上に立つために生まれてきた――――そう言われたとしても、違和感はない。 「運命、ってやつですか。」 「応。……そう馬鹿にしたものではないぞ、小僧。」 仮住まいの夜は、殊更に冷える。 乾燥した空気に、アサシンの声もよく反響した。まるで歌劇を特等席で見ているかのような。 「貴様がどれほど知略を絞り、機転を利かせ、精根の尽き果てるまで死力を以て戦い抜いたとして――― 勝てぬ者には、勝てぬ。悪く思うな、相性というものがあるでな。貴様も知っておろうが、余の場合は特に顕著だ。」 彼の能力と性質については、既に説明を受けている。 尖った能力ではあるが、突き刺されば、強い。暗殺者、とは正しく的を射ている。 まあ一方で、それが刺さらぬ相手には当然苦戦を強いられるのだが。真っ当な英雄などを相手にすれば、撤退も余儀なくされるだろう。 特に、聖杯戦争の何たるかについては調査済みだ。 本来ならば英霊―――人類史に刻まれる偉業、あるいは死後なお信仰を集め、座に召し抱えられた存在を召喚し、使役するというシステム。 彼らが必ずしも、つまるところ『人間』であるという保証はない。むしろ、例外の方が多いといっても過言ではないだろう。 「……引いた後から、籤の中身を変えることは出来ない。」 「然り。」 一度結末が確定してしまっては、そこに至るまでのどんな努力も意味を持たない。 将としては後ろ向きともとれる言葉は、あるいは彼が、人が人を当たり前に殺す時代に生きた人間だからだろうか。 赤ワインをグラスに注ぐ。 自分のためではない。というか、未成年だ。それなりの年代物を入手するのに、ひと手間もふた手間もかかった。 当然ながら、この身は正規の魔術師ではない。ともすれば、気休めにしかならないだろうが、と買いそろえたもののうちの一つ。 サーヴァントとの関係は円滑に保っておくに限る。 差し出したグラスを、武骨な手が掴んだ。 分厚い。幾度も剣を振るったのだろう、歪に皮が盛り上がっている。 その生涯を武と、そして政に捧げて生きた人。 それは、その役割に準じるというのは、どれほど熾烈で、過酷で、――――けれども、うらやましくもある。 だというのに、グラスを傾け、口の中で転がすしぐさの、なんと似合うことだろう。 尋ねれば、作法は聖杯によって学んだそうだ。なんでもありか。 「……巡りあわせというものもある。 幸運にも、余の宝具に都合のいい相手ばかりと争うとして、すべてがそう上手く転ぶこともあるまい。 もしもそれが貴様の意志、選択など介さない、遠大な存在によって定められていたとするなら――――」 カチン、とグラスが音を立てて窓に当たる。 芝居がかったしぐさだ。まったく、何に影響されてしまったのだろう。 「ともすれば、貴様、どうする。運命の流れに抗わんと、足掻き泳いでみせるか。」 けれども、皺の寄った目蓋の内。覗く瞳は、真っすぐにこちらを捉えていた。 静かな威圧がある。 見定められているのだ、と直感する。 コートの下。肉の底。心臓を直接睨まれている。 肺が硬くなる。胃が縮む。怯えている、といえばまだかわいいものだろう。 「どうして……そんなことを、尋ねるのです?」 「貴様の素性、目的、才幹。いずれも、余の主として足るものであった。」 シャリ、と、静かに、けれども迅く、短剣が鞘を擦る。 月光の差し込む窓もなく、こちらの用意した電池式の安っぽい光源に照らされて、けれどもその刀身は、鋭利な光をコンクリートの壁に反射した。 ・ ・ ・ ・ 「なれば今こそ、この『短剣』を捧げるに足るか、見定めねばならぬ素養がある。 心して答えよ、小僧。我が名はマクベス、此度は暗殺者のクラスによって現界するがゆえに。」 使い古された問いだ。 つまるところ、宿命論。運命が既に決まっているのなら、それに抗う価値はあるのかという命題。 きっと誰もが一度は、例えば十四、五ほどの歳に、抱いた経験があるのではないだろうか。 けれどもアサシン――――『マクベス王』が問うたならば、それはもう一つの意味を持つ。 マクベタッド・マク・フィンレック。スコットランドの赤き王。 多くの人は、彼の名をこう捉えるはずだ――――暗殺によって王位を簒奪し、殺した政敵の幻影に怯え、敷いた暴政の果てに討たれた悪しき王と。 史実は、そうではない。 当時は下剋上がしばしばみられる時代背景であったし、彼の在位期間の長さは、そのまま彼が優れた為政者であったことを示している。 その本来の信仰は、けれども英文学の最優を冠する作家の、中でも代表作によって、歪め知られてしまった。 老将は、答えに窮する自分を見て、わずかに口を歪める。 さぞや愉快なことだろう。本当に、底意地が悪い。 「…………人は、定命です。」 十二分に沈黙を貫いてから、答えを慎重に選ぶ。 応えはない。構わず、続ける。 「定められたものにしか意味がないのなら、人は死ぬために生きていることになる。」 彼は、『マクベス王』こそは、物語の中で、定められた予言のために戦った張本人だ。 いずれ、王になる。 まるで選定の剣にも似た、人を、それも多くの人を狂わせる呪いによって。 彼自身は、その物語をどう捉えたのだろう。 予言の通りに地位を得、予言に怯えて狂い、そして予言によって倒される。 すべてが予言によって定められていたのなら、その過程、彼の意志に、そしてその生涯に、果たして、役割以上の意味はなかったのか? それを、よりにもよって本人が問うている。 自分の生涯と、それを元に作られた戯曲をネタにした、最大級のブラックジョークだ。 厳粛そうな見た目に反して、悪ふざけがお好きらしい。 結構なことだとも。それで肝を冷やすのがこちらでさえなければ。 だからこそ、臆さずに切り込んだ。 「ならば何故、『マクベス王』は敵わないと知りながら、死の運命に挑んだのでしょうか? 大首領王マルカム・カンモー。『女の股から生まれなかったもの』に。 鎧を捨て、剣を置き、楽に死ぬことだって出来たはずです。けれども、あなたは挑んだのでしょう。」 「知れたことを。武人として死ぬためよ!」 侮辱とも取れる揚げ足取りに、けれども老将は間髪を入れず吠える。 ・ ・ 「おれは断じて、自らの剣で自らを絶つなどという馬鹿な真似はせぬ。断じて! 忌々しい二枚舌の鬼ばばァが、得意げに人の生き死にを決めやがったとしてもだ! このおれは、一国地の王たる男は、嘆きに嘆いてみじめったらしく運命を呪って死ぬような、めそめそした男であってはならぬ!」 「そうですね。僕も、そう思います。」 つまり、それが何よりの答えとなる。 知れず、安堵の息を漏らす。彼が乗りやすい人物で助かった。 彼は、自ら答えを導き出したということだ。 いずれ死ぬ定めにあるからといって、今死んでいいことにはならない。 運命が決まっていたとしても、『これが運命だ』と諦観する自分にはなりたくない。 それが、彼の最初の質問への、彼の答えだ。上手く躱せた……だろうか。 振り上げた大音声に、冷や水。 こちらの返答に、ぱち、と見開かれた目は、意外にもきれいな人好きのする輝きを持っている。 老将の怒りの演説は、殺風景な部屋に残響を残して、みるみると萎んでいった。 「…………生意気なやつめ!」 唾を吐き捨てそうな、しわを寄せた表情で言い放った言葉は、一方でどこか満足の色も帯びている。 けっして晴れやかではないが、人間味のある渋面。 ただアサシンには申し訳ないが、謎解きや文章の解釈に関しては、こちらに一日の長がある。 不承不承といった体で、短剣が鞘に納まる。どうも、そのお眼鏡に適ったようだ。 王として、そして将としての彼は――――ひどく、おそろしい。 眼前の敵に、あるいは時として味方にすらも、躊躇なくその刃を向ける。 それは、現代でどれほど時代錯誤の狂気を演じようとも決して追いつけない、時代背景によって掘られた深く遠い溝を感じさせるのだ。 彼の生き様が、まるで洗い拭っても流れ落ちぬ血の痕のように、その姿に染み着いている。 けれども、一人の人として触れ合う時。 なぜか、ふといじらしく感じてしまう瞬間がある。 「そちらが先に、意地悪をするからでしょう。」 「もう少しこう、可愛げというものをだな――――」 「売り切れです。」 ぴしゃり、と切って捨てれば、次の瞬間、そこにすでに彼の姿はない。 青白い魔力の残滓が、煙のように漂っている。霊体化、というらしい。 気配は当然感じる。魔力のつながりも。 無言でそうすることが、せめてもの仕返しなのだろう。 残念ながら、そういう愛想を振りまく相手は、一人と決めているのだ。 けれどもどうして、いつの時代でも男の人というのは、こう意地を張ってしまうのだろう。 知り合いの刑事の顔が、ふと脳裏を過る。 「…………ふふ」 気を緩めたせいだろうか。 ふと漏れた自分の笑い声が、年頃の少女のごとく軽やかであった。 【クラス】アサシン 【真名】マクベタッド・マク・フィンレック 【出展】史実(11世紀)、および戯曲『マクベス』 【マスター】白鐘直人 【性別】男性 【身長・体重】181㎝、78㎏ 【ステータス】筋力C+ 耐久C++ 敏捷C 魔力B+ 幸運A- 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を絶つ。 ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。 政敵の暗殺に長けており、敵意を悟らせずに不意や死角を突くのが上手い。 【固有スキル】 不眠の加護:A- 名状しがたい睡眠への恐怖と抵抗力。Aランクともなれば呪いの域。 睡眠・催眠・意識の解体に類する精神干渉を、高い確率で無効化する。 「手を洗って、夜着をお召なさい。そんな蒼ざめた顔をなさってはいけません―――― もう一度言いますが、バンクォーはもう土の下、墓から出てこられるはずはないでしょう。」 カリスマ:B 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。 一国の王としては破格の才。統治能力に優れ、また攻め手において真価を発揮する破軍の将。 「万歳、マクベス、グラームズの領主! 万歳、マクベス、コーダーの領主! 万歳、マクベス、将来の国王!」 無辜の怪物:D 世界的な知名度を誇る戯曲によって捻じ曲げられた、自己の在り方。 『正しく政治的な意味での暗殺と、暴政を繰り返した狂王』としての信仰。 能力・人格がある程度の提供を受ける。 また同盟を持ちかける際に、精神抵抗に失敗した相手は、『このサーヴァントは必ずこちらを裏切る』という妄念にとらわれる。 本質である優れた為政者としての技能・思考様式は損なわれない。 「血塗れの王笏を手にする不正な暴君のもとに、いつまた晴れやかな日を迎えることが出来ようか、 正当な王位の継承者はみずから罪を数え上げてその権利を放棄し、尊い血筋を冒とくしておられる。」 【宝具】 『簒奪王(マクベス)』 ランクB 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人 「ええい、呪わしい幻め。姿は見せても手には触らせぬというのか? それともきさまは心が描き出す短剣、熱に浮かされた頭が作り出す幻覚に過ぎぬというのか?」 英文学でも最優とされる作家の戯曲によって付与(エンチャント)された、本来の史実とは異なる信仰。 積み重ねられた事象や物質の概念を抽出し、能力として身にまとう――――すなわち『概念礼装(クラフト・エッセンス)』の一種。 この宝具は、召喚されたクラスによってその効果を変ずる。 アサシンとして召喚された場合、『[権力者]への特効』を有する短剣を武装として獲得する。 血塗れの短剣。手放せば僅かに浮遊しており、なぜか拭っても洗っても、根元から滴り続ける。 この血は全ての王・権力者・貴族またはそれに類するものの血を引く対象にとって、毒として作用する。 毒性はその支配や統治の範囲、振るう権力の強大さに伴って変化し、一国の主ともなれば一滴にその命に届くほど。 致傷によってのみならず、経口や皮膚への長時間の接触によっても同等の効果を発揮する。 一方で、縁遠いもの、没落したもの、支持を受けなかったものなどに対しては、せいぜい少し体がしびれる程度となる。 また神性などの上位存在、あるいは人間とは異なる体の構造を持つサーヴァント(異形、自己改造など)や、 対毒もしくはそれに相当するスキルを有するサーヴァントには、ほとんど効果はない。せいぜい気分が悪くなる程度だろう。 『知られざる赤き君主(リ・ダーク)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1 「きさまも女から生まれたな、いかなる剣も槍もせせら笑って叩き落してやる。」 常時発動型の無形宝具。 生前多くの政敵や反対勢力を屠ったという史実が、創作によって誇大化したことにより昇華した、逸話の具現化。 上述の宝具同様、『概念礼装(クラフト・エッセンス)』の一種。 『運命を司る三女神』を彷彿とさせる劇中の描写から、『女の股より生まれたものには倒されない』という加護を得た。 本来であれば、あらゆる人類の系譜にあるものからの攻撃によるダメージを無効化する―――― というものであるが、アサシンとして現界時は史実本来の霊格が強い影響を及ぼすため、聖杯経由でエラッタを受けている。 (狂化などで理性を奪うか、あるいは劇中の人物としての性格を色濃く反映した状態で召喚することで、十全の効果を発揮する。) 『神性』『異形』『魔性』『自己改造』などのスキルを有さない、全くの人として召喚されたサーヴァントに対して効果を発揮する。 性能としてはダメージ軽減、また同ランクの『戦闘続行』『仕切り直し』スキルとして効果を発揮する。 【weapon】 『無名・鎧』……くたびれてはいるものの、よく手入れが行き届いている。 『無名・剣』……同上。 【人物背景】 実在のスコットランド王。赤王(Ri Deircc)の通称で知られている。 多くの政敵・敵対勢力を抹殺したのち、実に十七年もの期間に及ぶ統治を敷いた。 下剋上がしばしばみられる時代背景でもあり、在位期間の長さも鑑みれば、為政者としては優れた手腕の持ち主だったことが伺える。 にもかかわらず、彼の名が狂王の代名詞として知られているのは、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『マクベス』によるところが大きい。 将として勇猛、しかし君主として臆病。魔女の予言や妻の野心に翻弄され、王殺しという大罪を犯す。 その後、亡霊の幻影や重圧に耐えきれずに錯乱して、暴政を働き、復讐によって討たれ、その首を晒すこととなる。 「マクベスは眠りを殺した。もうマクベスに眠りはない。」 上の有名な予言で知られる通り、簒奪によって王位を得たことで簒奪に怯えるマクベスは、自身の悪行によって自らを苦しめる、自業自得の悪人として描かれている。 さらにこの戯曲は四大悲劇の位置として高く評価され、本来の彼の信仰を脅かすまでに至った。 狂戦士としての適性も持ち、この場合、戯曲の中の登場人物としての性格を色濃く反映してしまう。 しかし暗殺者のクラスで現界する限りは、史実本来のマクベタッド・マク・フィンレックとしての霊格に影響はない。 にもかかわらず劇中の人物を思わせる芝居がかった言動をたびたび繰り返すのは、やはり宝具による影響が霊格にまで及んでいる…………のではなく、単なる当てつけ。 文物としての価値を認めつつも、自身の信仰を歪めた元凶でもあるため、素直に受け入れられず葛藤している。 王将として、あるいは英霊として振る舞っていなければ、ちょっと不器用で頑固なオヤジ。 【特徴】 ごつい。ひげ。鎧。 【サーヴァントとしての願い】 創作の影響を受けない、正しき信仰を取り戻す。 (あくまで自身の信仰に関する範疇であり、戯曲の文学的価値をなかったことにしてまで、というほどではない。) 【マスター】 白鐘直斗@PERSONA4 【マスターとしての願い】 聖杯戦争の実態の調査、民間人の保護と犠牲者の身元確認、および事態の収拾 【weapon】 なし。 【能力・技能】 『ペルソナ使い』 マヨナカテレビの中でペルソナと呼ばれる『もう一人の自分』を作り出し、戦わせることが出来る。 マヨナカテレビと呼ばれる現象および都市伝説は、当然ながら冬木には存在しない。 『拳銃』 拳銃の扱いに長けている。当然ながら所持はしていない。 『推理』 優れた思考能力。 個人の感情や精神の状態にとらわれず、状況証拠から結論を導き出す。 【人物背景】 警察組織に深く関わりのある探偵一族の五代目。男装の麗人。 メディアでも多少知られており、「探偵王子」の愛称で呼ばれている。 冬木町近辺で発生するという行方不明事件、惨殺現場の目撃情報を受けて参戦。 聖杯戦争の存在に気付くも、荒唐無稽な話では捜査本部を説得できないと、独断で参戦、調査および巻き込まれた一般人の保護を決心。
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【作品名】鋼の錬金術師 【ジャンル】漫画 【名前】グリード 【属性】強欲のホムンクルス 【年齢】200歳以上 【長所】硬化 【短所】「悪ぃ、それ前のグリードだわ」 【備考1】200年は生きていると語っている 【備考2】享年 vol.1
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/196.html
○月××日。 患者が一人、緊急搬送されてきました。 左腕及び左肩から首にかけてが欠損しており、猛獣に喰われたかのような傷痕でした。 即座に叩き起こされたドクターが処置をするが、処置も虚しく死亡。 何らかの事件性あり。 同月○×日。 失神し泡を吹いていた男性が緊急搬送。 顎を砕かれていたようで、命に別状はなかったが処置を施し入院。 経過観察に訪れ、その後の体調にて数回質問したところ「俺ももうすぐ殺される」「アイツが負けるからこんな目に」と譫言のように繰り返しており、自傷行為及び暴力行為に走るようになりました。 重度のショック状態にある可能性が考えられます。 メンタルケア専門のスタッフは慎重に対処にあたり、他スタッフが彼に接する場合はドクターの許可を得るか、メンタルケアスタッフ最低一人の同伴を原則とします。 同月×○日 完全に自我を喪失した女性が搬送されました。 何を話しかけても壁や天井を見るだけで、こちらの言葉には一切の反応を示しません。 手の甲に奇妙な痣を発見しましたが、それ以外傷は存在しませんでした。 「この痣は何か」と問うと、酷く錯乱し窓から飛び降りようとするなどの自殺行為に走ります。 よって、今後彼女に「痣に関する質問」をすることは許可されていません。 現在、彼女は強化ガラスと強固な鍵で窓を閉じた病室に収容されています。 彼女は現在、この病室から出ることを禁じられています。 収容から二日後、彼女の処置のため近づいたスタッフが痣が消えていることを確認しました。 原因は不明。 カタリ、とキーボードを叩く音がする。 凝った肩をぐるりと回し筋肉を解す。 肩凝りは現代に生きる者として切っても切れない面倒事の一つだ。 しかし毎度のように深夜まで患者の資料を纏めているここ最近は、面倒事というよりもはや難病と称した方が正しいぐらいには悪化している。 難病を一瞬で解決する万能薬でもあればいいのに、と思うが残念ながら医学はそれほど便利ではない。 ドクターの仕事がここまで身体を酷使するものだとは思っていなかった。 最近は患者も激増し、奇妙な症状も多い。 変な事件でも起こっているのかと勘繰ることもあるが、所詮妄想。 起こっていたとしても自分にどうこうする力はないし、するつもりもない。 願うことならば、巻き込まれないことを祈るのみだが―――。 「もうこんな時間」 肩凝りの軽減に背筋を伸ばすと、ふと時計が視界に入った。 時刻は23時を過ぎている。 東京ともなればまだまだ深夜と呼ぶには早い時間だが、暗くなって帰宅するのも中々辛いものがある。 「…帰ろうか」 途中まで纏めた資料を保存し、己の仕事机を後にする。 そそくさと出口に向かう。 己の仕事場とはいえ夜の病院はまだ馴れない。振り向けば何か"出る"のではないかと怯えてしまう。 出口には、警備員が立っていた。 無言のまま通り抜けるのも失礼だろうか、と思い一礼。 「ああ、今帰りかい?」 「ええ。ちょっと遅くなってしまいました」 たわいもない会話を済ませ、警備員に背を向ける。 ああ、この時間だと何時の電車になるだろうか。 「そうかい。最近物騒だからね―――帰り道には気をつけなよ、アンジェラ先生」 背後の警備員の言葉に笑顔で対応しながら、その場を去った。 ○ ○ ○ 予兆も兆候もなしに。 唐突に、ソレは訪れた。 ぴちゃり―――聞き慣れた、滴る血液の音。 ぐちゃり―――嫌というほど聞いた、肉が引き裂かれる音。 ゾブリ―――初めて聞いた、肉に牙が刺し込まれる音。 「え」 いつもの帰り道。何の変哲のない帰路。 日常の一風景に、非日常は現れた。 獅子の頭。山羊の胴体。蛇の尾。それぞれを合わせた三つの頭。 本来ならば同居することのない三つの身体が融合し、存在することのないモノを造り上げている。 ―――『キマイラ』。通称キメラとも呼ばれる、ギリシア神話の怪物である。 獅子の頭はヒトらしき腕を食い千切り食道に押し込んでいる。 山羊の頭はこびり付いた血液を落とすためか左右に頭を振っている。 蛇の頭はヒトらしき頭部を食い破、その中身を啜っている。 一体、どれだけの人間が犠牲になったのだろう。 雨が降り注いだあとのような規模の血溜まりは、流れ出し排水溝に吸い込まれていく。 細かく散った肉片はもはや『ヒトだったもの』なのかどうかさえわからないほど、醜い。 余りにも多く散ったソレは、元のヒトがどれだけの人数だったのかさえわからない。 何せ、原型を保っている頭部さえ見当たらないのだ。 ソレを目の当たりのした女性―――アンジェラは即座に引き返そうとするが、脚が脳の指令を受け付けない。 恐怖もある。人間として、生理的な嫌悪感もある。 それらが吐き気として食道を迫り上がる。 だが、原因は違う。 彼女が脚を止めている理由は、この惨劇による恐怖ではない。 知っている。 この惨劇を、彼女の脳は知っている。 『■はお■たちに寛■■接して■た』 ?がれた四肢。潰された頭部。 向けられた銃口ごと人体を潰す、暴力の権化。 『■を■れ以上怒■■るつもりなら』 ああ、恐ろしい。 思い出したくもない記憶が、彼女の脳裏に蘇る。 憎悪。暴威。暴怒。その、根源。 あの化け物は、四肢を捥ぐといった。 あの化け物は、あらゆる方法を探し出し殺すと。 ああ、蘇る。 一番忘れていたかった、死に対する絶対的な恐怖を。 『私の話が分かったか、アンジェラ―――?』 記憶が戻ってくる。 SCP財団。アンジェラ・ラングレー博士。アベル。 失われていた記憶が脳髄に帰還する。 なぜ失われていたのかは分からない。財団に記憶処理でも施されたか。 右手の甲に痛みと共に痣が浮き上がっていたが、眼中にない。 記憶の混乱。己が何故医師として生きているのか。財団はどうなったのか。 そして、目の前のキメラは、SCPなのか。 だとしたら、財団は何故収容に訪れないのか。 疑問と不安が頭の中で渦を巻く。 (でも、まずは、気付かれていない内ににげないと) 元来、彼女は度胸のある人間ではない。 声は小さく、ネズミに似たと形容されるほど弱弱しい。 だからこそ。 目の前に迫った脅威に、冷静に逃走することができなかった。 カツン、と音がした。 思わず己の足下を見る。 喰われたヒトの所有物だろうか―――血液と肉片に塗れた、タブレットが落ちていた。 蹴った。足が当たった。あまりの緊張で、足元を見ていなかった。 恐る恐る顔を上げる。 大丈夫だ。先程までキメラは食事に夢中になっていた。 大丈夫だ。先程までキメラは此方を見てすらいなかった。 大丈夫だ。だって、こんなに小さな物音だもの、気付かれるはずが――― 「―――あ」 鎌首を擡げた、蛇と。 目が、合ってしまった。 思考が停止した。あらゆる思考が彼女から消失する。 または。 現実を受けいれられなかった彼女の精神が、目の前の事象を拒絶していた。 蛇の頭が、疾駆する。 獅子の尾として、蛇の頭としてその長い身体をくねらせ牙を出す。 首を獲らんと迫るソレに、アンジェラは抵抗することすらできない。 アンジェラは、博士だ。技術職であり、戦士ではない。 むしろ、戦闘能力なら財団の兵士より格段に落ちる。 だからこそ―――アンジェラは目を閉じることしか出来なかった。 弱者なりの、抵抗。 少しでも残酷な世界を見ないように、目を瞑ることしかできなかった。 そして、目を閉じた彼女の首に蛇の牙が食い込み――― 「GIYAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!!!」 蛇の、頭が落ちた。 頭を失った蛇、及び尾を失った獅子は激痛でのた打ち回る。 当たり前だ。キメラからすれば、三つある頭の一つが落とされたのだ。 尾とはいえ、その激痛と損害は計り知れない。 そして。 「おや。頭が三つあるというのに、よく周りが見えていないようだ」 男の、声が聞こえた。 恐る恐る、目を開く。 ひらりと風に舞う、赤のカンフー服。 しなやかに伸びたおさげが優雅にたなびく。 拳法家。脳裏に浮かんだのは、そんなイメージだった。 「宝の持ち腐れならぬ…頭の持ち腐れ、といったところですかね」 「あ、あなた、は」 「…?ああ、貴方がマスターですか?名乗り遅れました。 サーヴァント、アサシン、真名を『風』。気軽にアサシン、と呼んでください」 男…アサシンは、血溜まりの中で不釣合いなどの柔和な笑みを浮かべる。 アンジェラは何も返すことはできなかった。 ただただ、現状の把握のみに努め―――それすらできない現状に、再び頭を抱えた。 「まずはこの獣を仕留めてから、ですね。 …複数の獣の合成とは趣味の悪い。ヴェルデですらこのような悪趣味なものは作らないでしょうに」 そしてアサシンは哀れむように目を細め、ポツリ、と零す。 「…貴方達も被害者なのでしょう。残念ですが―――此処は、遠慮なしに、圧倒します」 ○ ○ ○ それからの決着は一瞬だった。 秒すらかからないスピードで山羊の頭を足刀で落とし、獅子の頭を締め上げる。 三秒にも満たぬ戦闘。 その後、 『恐らく、キャスタークラスの置き土産でしょう。敗退したがこのキメラだけ運良く逃げ切れたのか、それとも元より放し飼いだったのか。 主を失い枯渇した魔力を補給するため人を喰っていたようですが――どちらにしろ、私が手を下さずとも消えていたでしょう』 と何やら語り聞かせてくれたが、何一つ理解できなかったのでこの話は置いておくことにした。 そして、現在。 血溜まりの中ではまた面倒事に巻き込まれる、と移動を促したアサシンと共に逃げた私は―――現在、喫茶店にいる。 「…貴方は何者なの?あ、私はコーヒーお願い」 「ですから、サーヴァントアサシンと。貴方も聖杯を望むマスターでしょう?あ、私はおかまいなく」 「…聖杯?」 「…知らないのですか?」 注文を済ませながら会話を進めるが、どうも要領を得ない。 致命的な認識の差が生まれているような、モヤモヤした感覚が残る。 「財団の人間ではないの…?SCP収容の特別部隊の人間とか…私の護衛を任された部隊の者とか」 SCP財団の博士は、貴重である。 Dクラス職員程度なら掃いて捨てるほど存在するが、博士という職につく人間は有限だ。 それをこのような危険な場所に、死地に一人で送るような自殺行為はしまい…だからこそ、このアサシンは護衛の人間なのではないかと推測した。 だとしたら、今の今まで記憶を失いドクターとして働いていたのも、先程のキメラも何らかのSCPの影響かもしれない。 淡い期待を胸に、小さい声で問いかけた。 すると、アサシンは少し考える素振りをみせると――― 「そうですね。貴女の言う通り、財団の人間です。部隊名『アルコバレーノ』。貴方の護衛、及び外敵の駆除にやって参りました」 と。 考えうる限り、最良の答えが返って来た。 「…ほ、本当なの?」 「ええ。貴女の味方ですよ。私が命じられているのは貴女の護衛。 やむを得ず戦闘になる場合まありますが、その時は任せてください」 ニコリと笑うその顔に、肩の力が抜ける。 それと同時に、ドッと疲れが溢れ出た。 相当精神に堪えたのだろうか。我ながらなさけないと思うが、こればかりは仕方ないと思う。 ああ、本当。 世の中は恐ろしいことばかりだ、と。 抜けた腰は、しばらく戻らなかった。 ○ ○ ○ 「はて。どうしたものか、ですね」 己がマスター、アンジェラ・ラングレーを自宅に送り届けた後。 アサシン『風』は、一人その屋上にて佇んでいた。 (どうやら、此度のマスターは聖杯戦争について何の知識も持っていないらしい。 これが全てのマスターに当て嵌まるものなのか、それとも私のマスターにだけ当て嵌まるものかはわかりませんが) 冷たい夜風が頬を撫でる。 こうしていると、昔の仲間を思い出して少し頬が緩むが、生憎そんなことをしている場合ではない。 赤ん坊の頃が懐かしい―――この大きな大人の身体が一番だが、あの頃の身体も懐かしい。 聖杯戦争。サーヴァント。魔術に心得のない人間に教えたとしても返って混乱を増すだけだ。 故に、その場で話を合わせてしまった。 部隊名も財団から派遣されたというのも、すべて嘘っぱちである。 (騎士などではないことが救いですかね。上手く話をつければ戦闘になってもこのまま押し通せる…は希望的観測過ぎますね。 そも、何故私がアサシンに…確かにヴァリアーのアジトに忍び込んだというか、鉢合わせたことはありましたけど) 潜入したことは数あれどアサシンにおいてはリボーンの方が上でしょうに、と続ける。 かといって戦闘では負ける気はないが。 アサシンに、聖杯にかける願いはない。 彼が願うのは、聖杯戦争という異境の地で拳で語り合い、猛者達と覇を競い合うこと。 謂わば聖杯などその副産物であり、彼が望むのは聖杯という『結果』ではなくその戦争という『過程』である。 だからこそ、結果としては聖杯が手に入らずとも構わないのだが、マスターがああでは先は不安だらけだ。 「さて、どうしましょうかね―――」 夜風を浴びて、無敵の武闘家と呼ばれた彼は、一人呟く。 その顔に影はない。 困難とは、あればあるだけ面白いものだ。 さて、この局面どう攻略したものか。 【マスター】 アンジェラ・ラングレー@SCP Foundation 【マスターとしての願い】 聖杯の説明を受けていないため、まだなし。 とりあえず記憶を失っていた原因がSCPによるものなのかどうか調べる。 【weapon】 特に無し。 【能力・技能】 特に無し。 【人物背景】 SCP財団所属の博士。 20代半の女性。 ふちの薄い四角いメガネでほとんど隠れた目に肩までのライトブラウンの豊かな巻き毛が特徴。 SCP財団は「SCP」と呼ばれる奇妙な物、現象、生物、場所そのもの等のSecure(確保)、Contain(収容)、Protect(保護)を目的として活動している。 割と他の博士よりかは常識人である。 今回の場では医者としての役割を与えられていた。 記憶を取り戻した後は、「財団による記憶処理をしなければいけない状況に陥ったのか」「それとも何らかのSCPの影響か」とも考えている。 聖杯戦争のルールどころか聖杯戦争自体をを理解しておらず、アサシンを今のところ自分の警護にやってきた特殊舞台程度にしか考えていない。 【方針】 記憶の一時的な喪失の理由を調べる。 SCPが原因なら…どうすべきだろうか。 聖杯戦争については一切理解していない。 【CLASS】 アサシン 【真名】 風(フォン)@家庭教師ヒットマンREBORN! 【パラメーター】 筋力C 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具C 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 気配遮断 C 「暗殺者」のクラス特性。 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 天性の肉体(偽):B 生まれながらに完璧な肉体を持っていた訳ではない。 度重なる修行と武練により手に入れた完璧なる肉体。 武闘の一 A+ 己の身体の全て制御下に置く、卓越した身のこなし。 ミクロン単位での精密動作を可能とする。 精神さえも己の制御下に置いているため、精神干渉の類いを無効化する。 心眼(偽) A 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 呪われた赤ん坊 EX 選ばれし七人とも呼ばれる。 各分野にて卓越した技術を持った七人へとかけられた呪い。 今回はアサシンとしてのクラスで召喚されたため機能していない。 ティーチャー(教師)のクラスで呼ばれた場合、赤ん坊の姿で呼ばれ、指導に特化したサーヴァントとなる。 【宝具】 『爆炼疾风拳』(ばくれんしっぷうけん) ランク:C 種別:対人宝具 レンジ: - 最大補足:- 無敵の武闘家と呼ばれたその技術、その真髄。 研ぎ澄まされミクロン単位にまで正確に駆動する彼の肉体は、正確に狙った部位を破壊する。 また嵐属性の炎―――『分解』を司る炎を纏わせることにより、打撃は正確に撃ち込んだ場所に分解の追加効果を与える。 『龍焔舞蹈』(ばくりゅうえんぶ) ランク C 種別 対軍宝具 レンジ 30~40 最大補足 40 極限にまで研ぎ澄まされた拳法技術と嵐属性の炎が龍の形を為す。 あらゆるものを分解する龍の一撃。 その上、肉体と同じく精密な動作を可能とし肉体を傷つけず腕時計のみを破壊するといったことも可能。 対軍宝具であり分解能力を持つ嵐属性の炎のため攻撃力に特化した宝具であるが、風はスキル『武闘の一』により発動前及び後の隙を一切なくし次の行動に移ることができる。 【wepon】 なし。 強いて言えば肉体であり、作り上げた107の拳法である。 【人物背景】 武道の達人であり、無敵の武闘家と謳われた男。 107の拳法を生み出し、その時代の武闘家の中で随一の実力を持つ。 性格は武闘家らしく心身共に清らかで物腰は柔らかく、礼儀、言葉遣い共に良い。 弟子を導くことを楽しむ師匠としての一面も持つ。 呪われた赤ん坊(アルコバレーノ)として赤ん坊にされた経験を持つが、今回はアサシンとして召喚されたため全盛期、つまり青年期で呼ばれている。 また、暗殺者の格としては「CHAOS」が口癖のヒットマンより劣るが、こと戦闘では同等かそれ以上の拳法家である。 ティーチャー(教師)のクラスで呼ばれた場合、赤ん坊状態での召喚となる。 【サーヴァントとしての願い】 一人の武闘家として、拳と拳・武器で語り合うことが望み。 よって過程こそが目的であり聖杯には何の興味もなかったが―――? 候補作投下順 Back ルーラー/セフィリア=アークス Next 上田次郎&セイヴァー
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【作品名】鋼の錬金術師 【ジャンル】漫画 【名前】グリード 【属性】強欲のホムンクルス 【年齢】200歳以上 【長所】硬化 【短所】「悪ぃ、それ前のグリードだわ」 【備考1】享年 【備考2】200年は生きていると語っている vol.1
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宮内れんげ+アサシン ◆tHX1a.clL. 「ねーねー、うち、宇宙人さんが見えるようになったん」 彼は誰にも信じてもらえなかった。 何故なら彼は絶対に姿を現さなかったから。 そこに居たのにいつの間にか消えていたり、かと思えばあっちに居たり。 顔を見せるのは決まって、二人きりの時だけだったから。 「なっつん、こまちゃん、ほたるん、うち知ってるん。それ、宇宙人さんのしわざなんな!」 彼はイタズラ好きだった。 人の焦った顔、困った顔が大好きで、彼女が見ていない場所では色々と悪さをする。 きちんと謝った方がいいよというと、その度に大きな口をゆがめて楽しそうに笑った。 「駄菓子屋、このおかし、二人前くださいな!」 彼は友達だった。 いつも傍に居てくれた。 朝起きて、夜寝るまで。ずっと、ずっと、一緒だった。 危ない時はいつでも助けてくれた。 山で迷子になった時も。 嫌いな野菜を食べられない時も。 うさぎ小屋から出られなくなった時も。 手品を見せてくれた。 自分に変身してみせたり。 長いしっぽで川の奥にあった綺麗な石を拾ってくれたり。 綺麗な夕日を一緒に見た。 美味しいお菓子を一緒に食べた。 友達のあかしとして綺麗な木のネックレスをくれた。 「うち、宇宙人さんとお友達になれて、とっても幸せです!」 そう言うと彼は決まって、大きな口の端を釣り上げてこう言った。 『ミィもwwwwwwwwミィもれんちょんとお友達になれてすっげー幸せーっすwwwww ありしゃーっすwwwwwwwwなんつってwwwww』 * * ある朝、少女が目を覚ますとそこはまったく見知らぬ地だった。 「ねーねー……?」 返事はない 「駄菓子屋」 「なっつん」 「こまちゃん」 「ほたるん」 「みんな、いないのん?」 見知らぬ場所に一人ぼっち。 でも、寂しくはなかった。 だってきっと、彼が居てくれるから。 「かっちゃん」 背の高い木を見上げながら、その名を呼ぶ。 「はいはーいwwwwwwwwwwwwww」 空間にノイズが走り、なにもなかったその場所に人が現れる。 ばかデカい背、ぐしゃぐしゃの赤い長髪、ギザギザの牙、紫色のスーツ、菱形のしっぽ。 耳まで裂けているのではないかと錯覚するほど大きな赤い口。 彼は、木の上で足を組んでれんげを見下ろしていた。 まるでずっとそうやって見守っていたような、自然な振る舞いで。 「かっちゃんはやっぱりおったん! さすが!!」 「そりゃあもうwwwwwwwwwミィはれんちょんのこと大好きですしwwwwwwwwですしですしぃwwwwwwww」 「そんなに言われたら、いくらうちでも照れるん」 再び、彼の居た場所にノイズが走り、彼の存在がかき消える。 かと思うと、次は自分の視点が一気に高くなった。 「おお、うち、成長期!!! おっきくなっちゃいましたん!!!」 「ワロスwwwwwwwww成長期とかwwwwwwワロスすぎりゅよぉwwwwwwwwwwwww」 「かっちゃん、にゃんぱすー」 「はぁいれんちょんにゃんぱっすーwwwwwwwwww」 気付けば、れんげは彼に肩車をされていた。 れんげはこの、彼の大きな体での肩車が大好きだった。 自分が見ることのできない景色を見渡せて、一番の親友と一緒に居られるから、大好きだった。 「さぁて……これからどうします、マイマスター?」 「誰かに会うん!! それで、それで、ここがどこか調べるん!!!」 「おkwwwwwwwwwwwwぶぃぃーんwwwwwwwぶぃんぶぃーんwwwwwwww」 「ごーごーかっちゃん!!!」 「んにしてもぉ……この感じ……始まっちゃったかなwwwwwwwwwこれwwwwwwww」 彼がいつものように中空を見上げ、楽しそうにつぶやく。 隠れていて何も窺い知れない目。いつでも楽しそうに笑っている口。 病的なまでに真っ白な肌を愉悦で歪める彼の顔ももう見慣れたものだ。 「かっちゃん、何が始まったん?」 「んとねぇwwwwwwwwwミィがとっても、とおーっても、大好きなものだよぉwwwwwwwwチャンカチャンカチャンwwwwwチャンカチャンカチャンwwwww」 「……はい! はい!! たぶんですが、それ、お祭りですか!!」 「おおwwwwwwwwwwwwぴんぽぴんぽぴんぽwwwwwwwww大当たりwwwwwww 正解はぁ、お祭り!! えー、このたび正解したれんちょんには賞品としてお祭りの参加資格が与えられます!」 「やったー!!」 「しかも、しかもでぇすよぉ? そのお祭りですねぇ……なんと、優勝者にはどんなお願いもかなっちゃう賞品付きなぁんですよねぇ!」 「なんでも……」 『なんでも願いが叶う』 とても魅力的な響きだった。 それが本当だったら、世界中からピーマンをなくすことができる。 そして、村を救うことができる。 最近、彼女の暮らしている村は様子がおかしかった。 まだ幼子であるれんげでも分かるほどに、空気がギスギスしているのだ。 その原因が何かは分からない。 でも、人と人が明らかによそよそしい。 敵意を見せあっている住人も居る。 仲が良かった『昔』を知っているだけに、れんげにとってその光景は異様なものだった。 でも、もし『なんでも願いが叶う』という彼の話が本当なら。 「かっちゃん、かっちゃん!! うち、お祭りで優勝したいん!!!」 「おっほおwwwwwwww奇遇でぇすねぇwwwwwwwwwミィもそう思ってたところですよぉwwwwwwwwwww」 また、皆が仲良しなあの村に戻れる。 いつもののんびりしたあの日常に帰れる。 「やってやりましょうぜ、マイマスタァ!!!」 「おー!!!」 彼と一緒に天に向かって手を突き上げる。 大丈夫だ。 彼と一緒なら、負ける気がしない。 だって彼は、凄く強くて、色々な技が使えて、なにより自分の大親友なんだから。 * * * 歩き始めて数分。 ふと、彼の顔に陰りが差しているのに気付いた。 「……かっちゃん、なにかあったん?」 「なんもねっすよー」 「嘘なん」 その一言で、彼の歩みが止まる。 「……ねぇ、れんちょん」 「んー」 「ミィたち、仲良しだよね」 「聞かれるまでもないん。うちとかっちゃんはたぶん、とっても仲良しで、大親友なん!」 「じゃあさ、れんちょん」 珍しく、彼がれんげの方を向いた。 「れんちょんだけは、いつまでもミィの味方で居てね」 目は合わないし、表情も読みとれない。 それでもお、いつにもなく真面目なトーンの語り口で、どれだけ真剣なのかということが、れんげには伝わってきた。 れんげには、どう答えていいかが分からなかった。 だから、ただ強く彼の頭を抱きしめて、一言。 「うち、かっちゃんと一緒なん」 とだけ答えた。 姉も、駄菓子屋も、級友も、知り合いは全くいないこの世界で。 最後に残っていてくれた彼とだけは離れないために。 その一言を聞くと、彼……『ベルク・カッツェ』はまた、いつものように口をゆがめて微笑んだ。 「さすがれんちょんwwwwwwwwミィの大親友でぇすねぇwwwwwwwwwwww」 「うん!!!」 「よっしゃwwwwwwそれ聞いてカッツェさん一安心っすwwwwwww さあ祭りだ、祭りだ、祭りだワショ――――イwwwwwwww」 「お祭り、お祭り!! うちもふぇすてぃばるん!!」 【クラス】アサシン 【真名】ベルク・カッツェ 【属性】混沌・悪 【クラススキル】 気配遮断:A+ サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【保有スキル】 狂喜:B 戦場における異常なまでの精神高揚。戦闘中、威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効化する。 また痛覚などのバッドステータスによる行動制限を緩和する。 話術:C 言論にて人を動かせる才。国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。 毒舌と挑発に優れ、相手を混乱させ冷静な思考を阻害する手段に長ける。 追撃:A 離脱行動を行う相手の動きを阻害する。 相手が離脱しきる前に攻撃判定を得られ、攻撃が通る限り追撃を続けることができる。 Aランクともなれば離脱系スキルに対しても発動直前に必ず攻撃判定を得ることができる。 幻術:D 魔術系統の一種。偽装能力。個人を対象とした物が可能。カッツェの宝具の伝承がスキルになったもの。 これにより、普段は自身を別人に見せかける、情報の偽装発信などが成功しやすくなる。 反面、物理的に対象に影響を与える事を不得手とする。 バード・ゴー:D 自らの姿形を変えるスキル。宝具『幸災楽禍の果てを望む力』の使用中にのみ発動できる。 『彼が変身したら惑星が滅ぶ』とまで伝えられているが、実際行った戦闘では一戦一引き分け(相討ち)なのでそこまでパラメータ向上されない。 また、このスキル発動中、カッツェは魔力を消費して任意で『精神攻撃(物理)』を放つことができる。 対象は【変身】またはそれに類するスキル(姿が変化するスキル)持ちのみ、変身系スキルによる耐久向上を無視してダメージを与えることができる。 【パラメーター】 筋力D 耐久D(C) 敏捷D++ 魔力D+ 幸運D 宝具EX 【宝具】 『形なき悪意の体現者』(カッツェさん降臨wwwwww) ランク:EX 種別:- レンジ:- 最大補足:- 数々の惑星を破壊した彼の伝説が彼自身の存在と融合した結果生まれた、ベルク・カッツェをベルク・カッツェたらしめる宝具。 つまりアサシン・ベルク・カッツェは『ベルク・カッツェ』という名の宝具を常に発動している状態だと言える。 人の心に潜む『悪意』こそが正体。 その逸話に違わず、ほぼすべての人間が彼の脅威にさらされる可能性があり、ほぼ全ての人間が彼に付け込まれるスキがある。 そして、ほぼすべての人間が彼に対する直接的な対策を講じられない。 彼を傷つけるためにはランクA以上の宝具で攻撃するか、彼と直接『遭遇』するしか道はない。 『遭遇』することが出来れば、以後その人物はこの宝具を乗っ取り(悪意を受け入れ)カッツェを無力化することが可能になる。 また、彼と関わる全ての人間が『形なき悪意』の元に晒されることになる。 不和、嘲笑、挑発、侮蔑、いわれなき誹謗中傷。彼と『遭遇』する際には精神攻撃耐性を持っていることが望ましい。 この宝具はベルク・カッツェ自身であるため、この宝具の発動が阻害された場合、ベルク・カッツェは消滅する。 『幸災楽禍の果てを望む力』(め、め、め、メシウマぁぁぁぁあああああああwwwwwwww) ランク:B 種別:強化 レンジ:1〜20 最大補足:10 『災いや混乱を引き起こす』力を秘めたNOTEとそれによって生み出される力。普段はNOTEの形をしており、カッツェが持ち歩いている。 上記の現象を起こすためならばどんな力でも発動できる。 ただし、語られなかった歴史を引用できないように原作中で使用されなかった能力は行使できない。 この聖杯戦争においては ・自身の姿の隠ぺい ・瞬間移動(目測100m程度まで) ・他者への成りすまし(キスした相手のみ、現在成りすませるのは『モブ男性』『モブ青年』『モブ女性』『枇々木丈』『爾乃美家累』『宮内れんげ』) ・第三者に向けて発信されている情報の操作(同一戦闘中一回のみ発動されたスキル1つをジャミング、レンジ内のマスター・サーヴァント1組への放送ジャックなど) のみとなる この宝具を使用することでGスーツを身に纏い、戦力をあげることができる(→スキル:バード・ゴー)。 『他者を争わせる』という一点に力を全部注いでいるため、直接的な破壊力は低い。 この宝具は、カッツェの精神を表したものであり、弱点でもある。この宝具が破壊された時、ベルク・カッツェは消滅する。 【weapon】 「菱形のしっぽ」 伸縮自在の菱形のしっぽ。しっぽとはいうがその性質は金属に近く、木々を一撃でなぎ倒す破壊力がある。 これを用いて敵の捕縛や発射されたバーニングハンマーの捕捉なども行っている 「Gスーツ」 変身後の姿、身体能力が向上。他人の心を引きずり出して直接精神攻撃が可能。(→スキル:バード・ゴー) 【人物背景】 「宇宙人」を自称する、年齢・性別など大半が謎の存在。 キスすることで人間に擬態する。混乱を起こす事を好み、擬態能力と腕から出す菱形のしっぽで周囲を攻撃する。 奇矯なポーズや言動を好み、度々ネットスラングを口にする。空中に浮遊したり、「アムネジア・エフェクト」と同様に自身の姿を累やガッチャマン以外に見えなくする事ができる。 かつて数々の星を滅ぼしており、自分の手は汚さずその星の生物が自ら滅ぼし合うように仕向けるのがなにより大好き。 地球人を「原始人」「愚かな人間」と呼び見下しており、人間が持つ心に関してもあざ笑うような言動を見せる。 戦闘においてもパイマンが「束になっても敵わない」と恐れるほどの実力者。 生命体を挑発し、混乱や争いを起こさせることに特化した『幸災楽禍のNOTE』の持ち主で、変身すると身にまとった金色の鎖で姿を見せずに攻撃できるようになる。 また、J・Jロビンソンと同じく他者の心をNOTEとして抜き取ることができる。Gスーツは無機質なクリスタルのボディを紫のマントが包み込んだ姿。 その能力から立川CAGEのガッチャマン達からは「悪いガッチャマンさん」「イカれたガッチャマン」と呼ばれている。 また本人もJ・Jに対する嫌悪や「ガッチャマンを辞めた」と語っており、またスーツにもガッチャマンのマークがあることから何らかの関係があるものと思われる。 本編エピローグ、一ノ瀬はじめと融合した後に宮内れんげから召喚された。 【サーヴァントとしての願い】 血が見たい、真っ赤な真っ赤な血が見たぁい!! もう一度『ベルク・カッツェ』として復活し、面白おかしく生きる。 【方針】 大衆に対しては他者に成りすまして扇動や犯罪を行い、巨大な組織が内側から崩れていくのを楽しむ。 個人に対しては肉体・精神的に追い詰めていき、心が折れるさまを楽しむ。 この聖杯戦争では、聖杯戦争を加速させ、人が裏切り裏切られ絶望する様を楽しむことが第一。 優勝して願い事をかなえるのはそのついでです。 れんげは大事な魔力の供給源かつマスターなのでそれなりに守るし友好的に対応します。 ただ、もっといい魔力の供給源が見つかったり、れんげが必要以上に口出しを始めた場合はその限りではありません。 【マスター】宮内れんげ 【参加方法】カッツェが持っていた『ゴフェルの木片のネックレス』を譲り受ける 【マスターとしての願い】村の皆がもっと仲良くなりますように! 【weapon】 ないん! 【能力・技能】 ないん! 【人物背景】 小学1年生。12月3日生まれ。身長不明。血液型はB型。 語尾に「のん」をつけるのが口癖、どうやら村での訛りらしい。 性格は決して悪くないが独特な感性を持っており、言動を周囲の人間から理解されないことも多い。 一方で成績は優秀でオール5の成績をとったり、小鞠の絵を描いた際は賞を貰ったこともある。 小学生としては喜怒哀楽に乏しい印象を受け、笑った表情は一度も見せたことが無いが、内面的にはむしろ好奇心旺盛で少々お転婆な一面もある。 あだ名は「れんちょん」。前述の通り独特な感性を持っており、「こんにちは」などの代わりに「にゃんぱすー」と挨拶したり、野良タヌキに「具」と名付けて飼い馴らそうとしたり、川で捕まえたカニに「お塩」と名付けて飼おうとしたりしている。 カレーと梅昆布茶が好物で、ピーマンは苦手。 聖杯戦争についての知識はまったくありません。 ただ、『優勝したら願いが叶う』ことだけは知っています。 【方針】 ふぇすてぃばるん! 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